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人の弱みにつけ込み「足元を見る」人間が堕ちる地獄

「人の足元を見る」

例えば、土地や家屋の売買で買主が、どうしても手離さねばならない状況に追い込まれている売主を見て、買い叩くというケースをイメージするだろうか。とにかく人の弱みにつけ込むのはこれだけにとどまらずにさまざまな業種であり得るだろう。


私のお寺としての立場もかなり弱い立場にある。法人も持たない、正式な寺院[包括されている]でもありません。立場は自営業者です。

ですからなかなか厳しいものがあります。

それでも何とかここまでやってきました。

不思議なことです。


〈人間の夏にくらぶるに、すぎこゆること千倍なり。ただ朝露をもって自ら活命(かつみょう)す〉


餓鬼の世界は孤島です。四方を海に囲まれた不毛の島です。ここは四季があるそうです。

夏が去って秋が来て冬になる。

しかし、その冬ですら猛烈に暑いのだそう。

人間世界に比べれば冬の気温が地球の夏の千倍に相当するというから想像を絶する世界だ。

島には陽を避ける樹木が一本もない。

それは不毛だからである。


降雨がないから、地下水脈もない。

草木の類は一切ない。

この孤島に送り込まれた餓鬼は、激暑のため凄まじく発汗し、その汗もたちまち体内の水分が蒸発してしまう。人間ならば即死するだろうが、餓鬼は死んだ者が行くのだから生き続けなければならない。


水分を欲して這いずり回るようだ。

[そのためか、水をご先祖に供えるのは]

ただ幸せなことに、孤島には四季の他に朝、昼、晩がある。早朝だけ、この不毛の大地に僅かだが朝露が降りる。

餓鬼は手元から舐めていく。舐め尽くすまで舐めようとするが、すぐ陽が昇って乾いてしまうのである。


冷静に考えるとみると、孤島でありますから四方には海がある。水はたっぷりある。

しかし餓鬼の目には乾ききった世界しか見えないのだと言う。


餓鬼

生前、嫉妬深かったり、物惜しみや、貪る行為をした人が赴く世界と言われる。

食べても食べても満たされない相。


※私にはこれがちょうど良いという満足を知足と言いますが、そのような生き方に目覚めていくことが大切ではないだろうか。



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