人生に落ちこぼれなし
- 超法寺の住職

- 9月15日
- 読了時間: 5分
人生色々•••そのようなことは昔からさまざまな形で語られてきました。しかしそれを実践の中に生きている人は多くはないだろう。
失敗しないように、他人に迷惑をかけないようにと周りに気を遣いながら生きては居ないだろうか。中には年老いた親が我が子に迷惑をかけないように気を遣ったりしていないだろうか。
親を見送った私はそうは思わない。
私はこの世に生を受けた時から常に父に母に心配や苦労をさんざんかけてきたのです。
夜泣きから、引きつけを繰り返してきた。
その度にどれだけ心配をかけてきただろうか。
また、あちこちの壁にクレヨンで落書きをして走り回っていた。それを母は一生懸命消していた。その光景は未だに我が脳裏にある。
幼稚園児の頃などは、杉並区永福の築地本願寺和田堀廟所にいたが、とにかく周りに自慢がしたかったそんな子どもだった。
お寺が珍しいものだからか、友だちを連れて事務所上にある梵鐘を昼間に鳴らしたり、事務所で仕事をしていた父は大層驚いただろう。
多分後で、こっ酷く叱られたのだろう。
あまりに普段から叱られていたから特別な記憶としては覚えていない。また本堂前の池で泳いだり••••行ったことのある人はわかるだろうが、浅い池だから普通な泳がないし泳げない、しかし幼稚園児だから、私も小さな頃はありました。
普段から親は忙しくしていたから昼間は一人でいることが多かった。今でも残る[くじら公園]で空を眺めることは今も記憶にある。
さすがに風景はだいぶ違いますが。
ある時には明大前駅まで家族で出かけた時、狭い路地をビューンって走り抜けていたら、路地をそのままの勢いで駆け抜けたら車にぶつかって(土手っ腹に)そのままボンネットに乗り上げて気を失ったり(無傷だったらしい)、とにかくさまざまなことをやらかしていたよ。
もちろんお墓まで持って行くような、ここでは語れないこともたくさんあります。親はハラハラヒヤヒヤしたんだと思いますね。
それは58年生きてきた中でたくさんありました。成功は些細だが失敗は山ほどありますよ。
たくさんの人たちに迷惑をかけてきた。
それでも許されて何とかここまで来ました。
この入間に来てからも布教所活動が上手くいかずに、お参りもなく収入もない中で新型コロナによる非常事態宣言で数ヶ月全く仕事が無くなりました。無いって言ったらとことんない。
しかしながら支払いは毎月ありますから、もともと無い蓄えが湯水のようになくなっていく。
もうこれ以上、活動を続けていくことができなくなるところまで経験しました。
自らで選んだ道でありながら失意の毎日でした。
何とか日本国により持続化給付金、埼玉県からの給付金が無ければもう私はここにはいなかっただろう、そう思えば今は増税増税で頭を抱えていますが巡り巡る世界に生きていることを痛感しています。
人生には山もあれば谷もある。
一日一日の積み重ねが人生ならば、人生には無駄はありません。
私は劣等感の中に生きていますから、できない、やれない、うまくいかないと思っている時も、後から考えればそこには必ず意味があり、生かされています。生きて行くことを許されています。私の進む道は何か、使命とは何かをたくさん考えてきたし学んできました。
弱いからすぐにへこたれている私。「あー、やっぱりこうすればよかったなぁ」などと後悔したり、親を憎んだりしてみたが、今は私には今の姿が丁度いいんだと思えるようになりました。何から何まで全部自分でやらなきゃいけない辛さはありますが、逆に気楽さもある。
失敗ばかりではありますが、少しずつだけど超法寺に足を運んでくださる方が増えてきたことで皆さまの優しいお言葉、優しい笑顔が私に希望をくださいます。
いつも独りよがりで生きている愚かな私を、阿弥陀さまは普段のままの気持ちでまかせる人もまかせない人も南無阿弥陀仏の中に見守っていてくださいます。南無阿弥陀仏の声の中に身を置かせていただける喜びこそが私の宝物だから。
ここ数ヶ月、業者からの依頼が無く悲観することもありますが、あの恐怖の新型コロナ禍を思えば今など大したことではないように思える。
だって阿弥陀さまとご一緒だから。
また往生した両親もお悟りの諸仏となり、常に私をみていてくださいますからね。
親鸞聖人はご和讃に、
南無阿弥陀仏となふれば、十方無量の諸仏は、百重千重囲繞して、よろこびまもりたまふなり
と、おっしゃっておられます。
辛い時ほど阿弥陀さまだけを思えよ、そうご教示くださった開教の大先輩の言葉は、すぐにへこたれる私を支えていてくださいます。
一人じゃないんだ、阿弥陀が一緒だぞ。
だから、あなたの人生を南無阿弥陀仏と共に生きてくれとの願いが私を奮い立たせてくださいます。
だから無駄な時間は無いし、だから人生には無駄は無いのです。
そう思いながら私は今日もこの暇を活かして生きていきますよ。今日も部屋を片付けますね。
皆さまも、かけがえのない二度とない今日を大切に生きてくださいね。
お互い頑張りましょう。
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏




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