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勿体無い

皆さま、おはようございます。

おかげさまでまた今日という日を迎えることを許されました。有難いことですね。

決して当たり前ではないのだから。

親鸞聖人は幼き頃より無常についてを親御さまより教わっていたようです。

皆さまもご存知の、


【明日ありと思うこころのあだ桜 夜半に嵐の吹かぬものかは】


であります。

親鸞聖人が九歳の時に比叡山へ修行に参る際に、僧侶になる儀式(得度)を受けることになったのですが、夜遅くなってしまったために、「今夜は遅いから明朝に得度をしよう」と言われて、先の言葉を言われて晩のうちに得度を済まされたというお伝えです。


私たちはお恥ずかしながら、今日もあり、明日もあり、明後日も来月も来年もあると思っているお互いであります。

それはなぜか?「だってまだ若いから」とか「まだ元気だから」と言われますよね。

でもそれは正しいとは言えません。

なぜなら、私たちは自分で生きよう、生きてやろうと思って生きてはないのです。

心臓だって自分で動かしているわけじゃないし、若いからと言っても生きられるということではありません。また、元気というのは私が決めているだから。

ちょっと体調が良くないと病院に行けば、必ずといって病人(患者)になります。

そうなりたくない人は病院に行ってはなりません。行かなければそうはなりませんから。


そういう意味では、やはり私たちは生きているのではなく、何か役目があるから見えない力によって生かされているのではないかと私は常々思っているのです。

だから、しんどくても、邪魔くさくても、私がすべき何かをしていくことが大事ではないでしょうか。


仏教を開かれたお釈迦さまは、「勿体無い」ということを次のように説かれています。【一つとして[わがもの]というものはない。すべては皆、ただ大きなはたらきによって自分に来たものであり、しばらく預かっているだけのことである。だから、一つのものでも大切にして粗末にしてはならない】


また、このような話があります。

アーナンダ[阿難]が、ウダヤナ王の妃シャマヴァティーから五百着の衣をこころよくもらい受けました。王様はそれを聞いて、アーナンダが貪りの心からもらったものではないかと疑ったのです。

王様はアーナンダに尋ねました。

「あなたは五百着の衣を一度にもらい受けてどうするのですか?」

アーナンダは、

「大王よ、多くのお坊さんは破れた衣を着ているので、彼らにこの衣を分けてあげます」

王様は、

「それでは、破れた衣はどうしますか?」

アーナンダは、

「破れた衣で、敷き布(シーツ)を作ります」

王様は、

「では、古い敷き布はどうしますか?」

アーナンダは、

「枕の袋にします」

王様は、

「古い枕の袋は?」

アーナンダは、

「床の敷物にします」

王様は、

「古い敷物は?」

アーナンダは、

「足ふさを作ります」

王様は、

「古い足ふさは?」

アーナンダは、

「雑巾にします」

王様は、

「古い雑巾はどうしますか?」

アーナンダは、「大王よ、私どもは、その雑巾を粉々に割いて、泥と混ぜ合わせて、家を作るとき壁の中に入れます」


まるで禅問答ですね。


私たちは、ものは大切に使わねばならない。

生かして使わねばならないと教わってきました。特に私のような昭和の時代を生きた世代は決して裕福ではありませんでしたので(皆ではないが)、捨てられない、古くても何かに転用した世代でありました。

小学生の頃は、まだつぎはぎズボンを履いていた子どもがいました。

私はブラスバンドに所属していたので、今はなき谷津遊園でのバンド演奏会へ行くためのハイソックスを持っていなかったため、近所の友達から借りていました。

そんな世の中でした。


これが誰のもので、自分だけのもの「わがもの」ではない、預かりものの用い方ということです。


お釈迦さまの教えについては、『仏教聖典』[仏教伝道協会]を参考にしました。


皆さま、勿体無いという言葉は、実は日本にしかない素晴らしい言葉だって知っていましたか?

私たちは豊かになり、お金を出せば何でも容易に手に入る。しかし手に入ることばかりを覚えたために忘れてしまったものがたくさんあるのではないでしょうか。

そのことを知る機会こそ、仏教の教えなのではないでしょうか。


そんなことを思った朝でした。皆さま、与えられた今日、今を大切に強く明るく生きてみましょう。南無阿弥陀仏

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