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寺号の由来はここから

皆さま、こんにちは。

桜も少しずつ散り始めましたね。

あれほど綺麗だった桜も必ず散ります。

私たちの人生も、若い時や元気な時を失っていくのです。また人間は常に「無いものねだり」ですから、失った途端に不安から苦しんでいきます。


だからこそ、どうなろうとも決して見失わないものと出遇っておかねばならないのです。

超法寺はそんな世界観を縁ある方々と共有していくお寺であります。

私は初めは「雅遊寺」で組(そ)に提出していましたが、開教担当から急遽変更を指示され悩みに悩んだ挙句にたどり着いたのが、宗祖親鸞聖人の『教行信証「総序」』の一節、【摂取不捨の真言、超世希有の正法、聞思して遅慮することなかれ】でありました。


「これしかない!」

私の目指すお寺は、阿弥陀如来のご本願から洩れていく「命」などないという確かな願いをお伝えしていくものだという信念でありました。

あまりに寺号を考えることに集中しすぎて、山号は最初から【光眞】と決めていて、先祖代々が[超法山]であることを失念していました。


妹から、「お兄ちゃん、超法山超法寺にするの?」と言われて初めて気がつくほどだったのです。笑えますよね。

でも【光眞】を父に伝えられたことが私は嬉しかった。父からは「良く確認しておけよ」と、仏頂面で言われたのですけど、まぁ父らしいです。最後まで和かに会話ができない父でした。

それが実家寺を出た最大の理由でしたからね。


今更何を言っても始まらない。ただこの道を行くしかありません。

このご文は、宗祖親鸞聖人が辿り着かれた境地、「摂取不捨」でありました。「真だった、本当であったんだ。阿弥陀さまのご本願は間違いではなかった」と驚きと歓喜の声だったのです。


私たちは既に仕上げられてあるこの南無阿弥陀仏をお称えすることを疑い、ためらいする「疑心あり」ですが、親鸞聖人は疑心無き心からの叫びではなかったのではないでしょうか。

私も今や、人間は真実なものよりまさやしに苦しめられ、不必要な献金で人生を棒に振りながらしか生きていくことが難しい生き方しか知らない。他者を騙して、笑っているような愚かな生き方、いつこの命が終わるかもわからないのに、若いだ元気だと『アリとキリギリス』のキリギリスのような生き方を当たり前のようにしています。


せっかくご先祖が仏法を聞く機会をもってくれたというのにも関わらず、あれこれ言い訳をしながらお寺へも参らず、大切な人の法事すら勤めずにいて平気であります。中にはお墓参りがご先祖のためと勘違いしている有り様。

一時期流行った「千の風」でそうじゃないんだよと教えてくれたというのに身についていない。


そんな私たちを阿弥陀さまは決して見捨てずに、【救わずにはおれない】と、南無阿弥陀仏の声となりあらゆる機会を通じてお念仏に出遇う機会を持たせてくださっています。

私たち人間が追い求めている[幸福]は、いざ大地震や大津波が押し寄せたらあっという間に失ってしまうものであり、災害に遭わずとも「死」からは決して逃れることなどできません。


そして誰も一緒に死んではくれません。

私たちは、一人生まれ、一人生き、一人死していくのだから。


蓮如上人は『御文章』に、【まことに死せんときは、予てたのみおきつる妻子も財宝も、わが身には一つも相添うことあるべからず。されば死出の山路のすえ•三塗の大河をば、唯一人こそ行きなんずれ】とおっしゃっておられる。


意味は、今まで頼りにし、力にしてきた妻子や金も物も、いよいよ死んでいく時は、何一つ頼りにするものはない。全てから見放されて一人でこの世を去らねばならない。丸裸で一体どこへ行くのだろうか。という意味です。


さて他人事ではありませんぜ。

住職として、また大坊に身を置いていて、高級外車を乗り回していても、現役で無くなれば周りは離れていくし、命終われば語りも無くなっていく。お寺でさえこうであります。


過去を見てもまた同じこと。

一体どこに真の安心があるのでしょうか。

【仏法は聴聞に極まる】

阿弥陀如来の救いは仏法聴聞、聞く唯一つ。

【聞思して遅慮することなかれ】と諭されておられる。

【心配するな、もたもたするな、自力のお前が他力になるまで必死に他力を聞け】

何度も言いますが、誰も(家族も友人も)あなたの人生の責任は取ってくださいませんよ。

南無阿弥陀仏が間違いでなかったと我が疑心が晴れるまで、南無阿弥陀仏が最高の宝物と思えるまでお聴聞していきましょう。


以上のことを最も大切にしていくお寺が超法寺であります。

是非お参りくださいませ。

この度は、築地本願寺さまから超法寺所以の「書」を賜りました。寺宝としてお預かりします。有難きしあわせ、南無阿弥陀仏

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