南無阿弥陀仏のボロ家に
南無阿弥陀仏が住みついて
明かりがついてボロ家の
おんボロボロが見えまする
南無阿弥陀仏と見えまする 〈木村無相〉
南無阿弥陀仏は「煩悩具足、罪悪の凡夫おまえを、そのまま必ず救う」という阿弥陀如来の仰せ、はたらきです。
木村無相さんは、元真言宗のお坊さんでした。
親鸞聖人の教えに出合い、どうしても自分をごまかすことができず、真言宗を離れ、お念仏の人となられました。
【道がある、道がある、たった一つの道がある。極重悪人唯称仏」ともうたわれます。
東本願寺の会館の門衛をされ、最後は福井県の老人ホームで過ごされ、昭和59年1月、80歳で往生されました。
人間は口では良いことも言います。時には善い行いもします。しかしその時でも、心の中まで問われるとどうでしょうか。
心の中まで問われて、あなたは善人ですか。
自分を善人と思っている人は、善悪でる人を責める。自分を賢いと思っている人は、賢愚で人を責める。故に、人に嫌われます。
「煩悩具足戒のボロ家に、南無阿弥陀仏が住みついた」
南無阿弥陀仏は阿弥陀如来の厳しい智慧のはたらきです。
凡夫わたしの胸の底まで見抜いて、知り抜いてくださいます。そして、その私を責めもせず、裁きもせずに「そのまま」と、抱いてくださるお慈悲のはたらきです。阿弥陀如来のはたらきを、お念仏としてわが身にいただく人は、この阿弥陀如来さまの智慧に照らされ、慈悲の親心に抱かれてあります。
そのはたらきでこの罪悪の凡夫、私が、浄土真宗の世界に生まれ、仏に成りますと、生きていく道が浄土真宗であります。
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