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執筆者の写真超法寺の住職

布施って難しい

皆さま、こんにちは。

ニュースを見ていたら中学生の教科書に「成功した人」として水原通訳の顔が写っている写真が掲載される予定ですが差し替えられる可能性があるそうです。また送金を誰がしたか、違法賭博会社宛とわかっていて大谷翔平さんが送金をしていたら彼が罪に問われて永久追放になる可能性すらあるそうです。そうなったら世界的な衝撃事件となるでしょう。やはり違法賭博は怖い。アメリカにはカジノがあるのになぁ、などと思いましたが個人的にしたこと、それを助けようとした人の人生すら左右してしまいかねないことがあることも学ばせていただきました。

すみません、個人的な意見です。

明日は我が身ですね。


さて【布施】のこころをご紹介します。

[目玉の布施]

舎利弗(シャーリプトラ)は、お釈迦さまのお弟子です。「智慧第一」と言われます。

智慧に関しては舎利弗さんが一番なんだそうです。

しかし、これからお話しします話は、舎利弗がお釈迦さまの弟子になる前、はるか前世における物語です。


舎利弗は【布施】の修行をしていました。

布施とは、こだわりのない心で人に施すことを言います。

俺がお前に恵んでやったんだぞ、お前は俺に感謝しろ。そういう気持ちがあって施したのでは布施になりません。

施した方が受けてくださった人に「ありがとうございます」という、そういう気持ちで施したとき、初めてその施しが布施になるのです。

だから、布施は簡単なようで難しいのです。

ところで、舎利弗が布施の修行をしているというので、あるバラモンが舎利弗に、「お前の目を俺に布施してくれ」と言います。変な注文ですね。で、舎利弗は、「私の目玉は、私の目の中にあって役に立つのですよ。私の目玉をもらっても、あなたの役には立ちませんよ。」と言いました。すると相手は、

「お前は、布施をするのに、つべこべ文句を言うのか」と、ちょっと怒って言います。

確かに、文句を言っていては布施になりません。それで舎利弗は、自分の目玉を抉り出してバラモンに布施しました。

舎利弗は目から血が流れています。

ところが、その布施をもらったバラモンは、その目をクンクンと嗅いで、「なんだ、お前の目は臭いな」と言って道に投げ捨てて、おまけに足で踏みつけました。

見ていた舎利弗は、ムカムカと腹が立ちます。

それはそのはずです。くれと言われて無理やり目玉を差し出したというのに。

しかし舎利弗は、じっと怒りを抑えました。

バラモンはそのまま去っていきました。


実はその後、舎利弗は気づきました。

「私は間違っていた」と。

布施というのは、別の言葉では、【喜捨】(きしゃ)というのです。


自分が持っている大事なものを喜んで捨てていくのが布施なのです。そして自分が捨てたものを相手がどうしようが、それは相手の勝手です。私たちは、自分が喜捨[布施]したものを相手が大事にしてくれるといいなぁなどと、期待しますが、そういう思いを持ってはならないのです。

そう思うと、布施って難しいですよね。

皆さまはどう思われますか?


南無阿弥陀仏

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