地獄があるかないかと問われたら
- 超法寺の住職
- 6月2日
- 読了時間: 4分
皆さま、こんにちは。
六月に入りお寺では「永代経」という行事が営まれています。知ってそうで知らない永代経。
少しお話をしてみたいと思います。
浄土真宗では、門信徒の方々による懇志(懇念)によってご本山(西本願寺)や築地本願寺、各ご寺院が護持されてお念仏のみ教えが永代にわたって受け継がれていく法要であります。
いのちを恵まれた私たちが、法要をご縁として仏恩報謝のお心を表すことであり、そのお心はやがて子や孫へと受け継がれ、み教えをお聴聞する機会を広めるご縁となります。
ですから、浄土真宗では故人の追善供養ではなく、先祖代々から私の代まで受け継がれてきた親鸞聖人のみ教えを慶び、子々孫々まで受け継がれていくことを願う大切な法要です。
〇永代経をご希望される方へ
①永代経懇志はいつ納めていただいても構いません。
②額面については¥20.000以上は別修永代経として次の永代経法要で開闢(かいびゃく)法要を執り行います。
※故人の名前、法名、ご命日を記載「超法寺永代経過去帳」いたします。
それ以外については総永代経法要として毎年の法要時に表白(ひょうびゃく)で読み上げいたします。
③封筒の表書きは、どなたの永代経で、どなたが進納者か分かるように記入します。
④水引を掛ける場合は、黄色と白を用います。
詳細は各寺院のご住職にお尋ねください。
さて来月にはお盆がやってきますね。
よく聞かれるのですが、「浄土真宗はいいですね。何をしても阿弥陀さまが必ず救ってくださるから安心です。地獄は浄土真宗には関係ない、死ねば仏だから。」
こんな本願ぼこりを笑顔で話される方が意外に多いので困惑します。
そんなことは親鸞聖人はおっしゃらないです。
では地獄はあるか、ないか。
仏教の考えでは、地獄は作らなければありません。
刑務所は安全平和な社会の維持のために作られた、法律を犯す犯罪者がいるために設けられました。つまり犯罪者が刑務所を作ったのです。
地獄も作る人にはありますし、作らない人にはありません。罪を犯した人が作る地獄は避けようがありません。
因果の道理に背き、欲と怒りの心で殺生、盗み、不倫、飲酒、嘘という五悪業(あくごう)の人に、その報いとして顕れる世界を地獄【自業苦】というのです。
【餓鬼】物を惜しみ、貪り、人を妬む者の作る世界であります。
【畜生】因果の道理を知らず、愚痴をこぼし、恩も恥も知らない人が作る世界であります。
いかがでしょうか。皆さまには当てはまるものが一つもないですか。当てはまるものばかりではないでしょうか。つまり地獄行きの人生ではないでしょうか。
『往生要集』には、【みずからの業をもってみずから果を得】と示されています。
まさに自業自得の道理、自己責任は免れないのです。
それなのに、改めず、恥じ入らない日暮だけしていてどうやって天国?へ行くつもりなのでしょうか。行けるはずなどない。それなのにお盆参りもしない(お墓参りがお盆と誤解して平気)、つまり先祖代々のためで、私は関係ないと道理を知らずに過ごしています。
だから死ねば仏ではないのです。
『歎異抄』の中で親鸞聖人は、「いずれの行も及び難き身なれば、とても地獄は一定すみかぞかし」(微塵の善もできない親鸞は、地獄の他に行き場所がないのである。)
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浄土真宗はこの境地を仏法聴聞を通してお聞かせいただく宗派です。
自身の地獄行きに気づかなければ浄土の道も嬉しくも有り難くもあるはずがありません。
浄土真宗の他力の道
親鸞におきては、【ただ念仏して弥陀に助けられまいらすべし】と。これであります。
「親鸞は、よき人、法然聖人のお導きにより、弥陀の誓願不思議を不思議と知らされ、念仏申さんと思い立つ心のおきた一念に、往生極楽の身に救いとられたのだ」
❌誤解は、念仏を称えたら救われる。
『歎異抄』には、弥陀の本願には老少善悪の人をえらばず、ただ信心を要とすと知るべし(第1章)
⭕️【ただ】とは一念の信心
超法寺の寺号の元となった『教行信証』総序に、【誠なるかなや、摂取不捨の真言(阿弥陀如来の本願)•••••】とあります。
本願まことでありました。
そのように親鸞聖人は仰っておられます。
『教行信証』後序には、【心を弘誓の仏地(阿弥陀如来の本願)に樹て】と仰っておられます。
⭕️人は、永遠に崩れることのない(不退転)阿弥陀如来の本願に救われるために生まれてきたのです。
それを知らずに生きて、知らないまま死んで、どうやって天国?に行くのか。幸せになるのでしょうか。今一度考えてみませんか。
何度も言いますが、人生は自己責任ですよ。
せっかく先祖代々が阿弥陀さまを寄せてくださる仏縁を結んでくれたというのに、背を向けて仏事すら怠って、一体どうやって先祖供養をするのでしょうか。
自問自答する場が仏事の場であります。
南無阿弥陀仏(-∧-)合掌・・・
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