家庭の「庭」には、教育の場という意味がある。
子どもだけではない、親もまた然りである。
ある時のこと、残暑厳しい折り、お客さんが二人お見えになった。お茶を出していたら、二歳になったばかりの長男が隣の部屋から「よいしょ、よいしょ」と扇風機を運んできた。
そして、コンセントにプラグを差し込もうとしている。(危ないのでコンセントには私が差し込んだ)
「たいしたもんですなぁ。よう気が利いて」と、お褒めの言葉を頂戴した。
すると今度は「押す、押す」と言い出した。
スイッチを押すというのである。
「はい、押しておいで」
いやはやどうして、我が子ながら、実にたいしたもんだ。私に似たに違いないと思ったのもつかの間、足でスイッチを押そうとしている。
あわてて、「ダメ、ダメ、手で押すとよ」と言うが、「いや、足で、足で」と言って聞かない。
きっと、私の顔は真っ赤になっていたことだろう。
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