五劫思惟しなければならぬ罪深い私
- 超法寺の住職
- 3月18日
- 読了時間: 4分
皆さま、こんにちは。
春のお彼岸に入りました。
街には切り花を片手にある人の姿が見られました。お墓参りをするのでしょうか。
それともお仏壇に供えるのでしょうか。
午前中、お寺でご法事を勤めました。
関西出身の方で、久しぶりの関西弁が心地よかったですね。少しずつではありますが超法寺の本堂でご法事を勤められる方があり大変嬉しいです。そして皆さま、大人しく座る豆柴さんたちに驚いていました。ま、お寺のワンチャンは空気が読めまするものか。
南無阿弥陀仏
お彼岸ですので、【極楽浄土】についてご紹介します。
「西方十万億の仏土を過ぎて世界あり、名づけて極楽という」
『仏説阿弥陀経』の始めに、お釈迦さまはお弟子の舎利弗尊者に向かい、「舎利弗よ、これより西方に十万億の仏土(ぶつど)を過ぎて世界あり、名づけて極楽という。その土に仏まします、阿弥陀と号す。今、現にましまして法を説きたもう。」と、説かれました。
そしてお釈迦さまは、西方を指しながら、あの彼方に十万億の仏たちの仏土よりも素晴らしい浄土がある。名を極楽という。それは安らかな世界であり、そこは人々の生と死を支えまします阿弥陀さまがおられる国なのだ、と説かれました。
さて、皆さまはこの話をどう思われますでしょうか。これは人間の常識などで語ってみても到底わからない、そんなものであります。
ましてや普段から仏のお話(法話)を聞くことをしない方々にはわかるはずはありません。
常識を超えた道
お釈迦さまの智慧のお言葉を、私たち人間の知性や理性、そして煩悩をもとに私たち人間の常識の中、そして自分勝手な世界観で納得しようと思っても到底理解などすることはできないでしょう。このような姿勢で【お経】を受け止めても、きっと私の人生を支えていくものとはならないでしょう。
人間の常識を超越した世界が仏の道であります。お釈迦さまがいた時より、もっともっともっと•••••先から、常に私たち人間の生と死の姿がありました。
その中に埋没し悲しむ凡夫(死ぬまで煩悩から離れられないもの)の苦悩がありました。
私自身の生と死でありながら、その生のよるべを知らず、死の彼方(かなた)を知ることを許されない凡夫に、大悲をこめて南無阿弥陀仏を支えとして生きてくれよ、そして極楽の浄土を目指して生きてゆけ。
虚しく死ぬとは思わないでくれよと教え、知らしめようというはたらかぎこそが、この西方の極楽を私にお釈迦さまが説かずにはおれない仏意ではなかったのでしょうか。
浄土往生
生と死を超えて、いのちを通いあわせる素晴らしい世界へ
お釈迦さまは、阿弥陀仏の浄土こそが、万人の生を支え死の帰するところと教えられました。
その浄土とは仏の智慧の前に開かれる悟りの領域であるとも説かれました。
浄土真宗をお開きくだされた親鸞聖人は、阿弥陀仏の浄土を、限りなき智慧に光り輝く世界🟰無量光明土(むりょうこうみょうど)と讃えられました。
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『仏説阿弥陀経』には、そのありさまを『七重欄楯(らんじゅん)•七重羅網(らもう)•七重行樹(ぎょうじゅ)•皆是四宝』『有七宝池(うしっぽうち)•八功徳水(はっくどくすい)』、
『青色青光(しょうしきしょうこう)•黄色黄光(おうしきおうこう)の蓮華』、『常作天楽(じょうさてんがく)•黄金為地(おうごんいじ)』と、説きあらわされています。
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浄光明満足(じょうこうみょうまんぞく)の世界
浄土の教説は、私たち人間のものの見方が間違っているのではないかと、厳しく問うておられるのです。ここをはっきりとさせておかねば、ただの水掛け論に終わってしまいます。
死ねば灰になるだけではない
お釈迦さまが説く仏法とは、夢の話ではありません。私たち人間は、この世に生きる限り、それぞれの業縁(ごうえん)のゆえに、善人•悪人•順縁•逆縁、そして愛憎さまざまな人間模様を描きながらの人生であります。
しかしながら、阿弥陀仏におまかせして南無阿弥陀仏を称えながらの人生を知らされますと、お浄土に往生し、阿弥陀仏の智慧と大慈悲によるが故に、親が子を慈しむかのように人々を救い続けてゆくことができるようになります。
浄土に生まれていくとは、煩悩を抱えながらではありませんから、阿弥陀仏と同じ悟りを開かせていただくのであります。阿弥陀仏とは、限りなき寿命をもって苦悩の人々を救い、悟りの仏たらしめるとされる故に【無量寿仏】となのられました。
お葬式の場で超法寺は常に亡き人に対して「サヨナラしない世界、倶会一処(くえいっしょ)がある」ことをお伝えしています。だから是非、「有難う、またね」とお声がけしてくださいとお取り継ぎいたします。
このような人間模様を超越する道をお聞かせいただく場こそがお彼岸たる仏教行事だと思います。是非、お寺をお参りください。
南無阿弥陀仏(-∧-)合掌・・・
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