今日、今年二件目の葬儀の直接依頼がありました。
超法寺のホームページを見られて、このお坊さんに葬儀を勤めて欲しいと
父が言うのです、と、娘さんがお電話をくださいました。
最近では菩提寺を持たない方が圧倒的です。
その上、[僧侶派遣]業者にお願いしてどこの誰かもわからないお坊さんに
人生最後の大切な仏事をお願いする、思っていたようなお坊さんではない。
これは仕方ありませんよね。自分は楽をして他人任せなのですから。
その上、自分の思うようなお坊さんじゃないと、アンケートで酷評をして、
憂さ晴らしをします。結局誰がいけなかったのでしょうか。
もちろん、全部、他人任せをして楽をした方ですよね。
お坊さんが悪いわけではないのです。
マンション坊主が来ても構わない(資格だけ浄土真宗)というリスクを犯した
、らだそれだけです。自分の大切な人の最後、葬儀を見ず知らないお坊さん
で構わないと言う失態を犯したのです。
それで本当に故人さまは喜んでくださっているのでしょうか。
だって煩わしいじゃないですか、と言うのでしょうか。
でも、忘れてはなりませんよ。自分もいずれ死んでいくのですよ。
その時、また見ず知らずのお坊さんに葬儀を勤めていただくのですよ。
浄土真宗ならいい、と言うのはなかなか危ないと超法寺は思います。
今日、お電話をくださった方は、葬儀社と一緒に近隣の浄土真宗寺院の
ホームページを閲覧して、喪主(ご主人)さまが、超法寺のホームページを
見た上で、「このお坊さんに葬儀をお願いしたい」と希望され、娘さんが
お電話をしてくださいました。
こんな有難い依頼方法がありましょうか。住職は感激しました。
途中、葬儀社の担当さんと打ち合わせをした上で、予定日と時間を調整して、
超法寺が初めてのご縁ではありますがお参りすることになりました。
ご法名もご希望くださいましたので、故人さまを「仏さま」として送って
あげられるような【法名】を付けてあげたいですね。これからゆっくりと
考えます。超法寺はおざなりのものを付けるようなことはいたしません。
きちんと意味を書いた【法名授与書】を差し上げます。
法名と戒名は違います。
○戒名は、修行をする僧に対して出されるもの。
○法名は、仏法を聞く人生を歩むと言う誓いのもとにいただくもの
(原則、生前におかみそりという帰敬式「ききょうしき」を受式します)
昨今では、俗名(本名)で葬儀をされる方が実に多い気がします。
いいですか?死んだだけでは仏さまにはなることがありません。
仏さまの教えを聞いてナンマンダブツを称える身となるからこそ、往生させて
いただけるのです。人間の自分勝手な思いは仏さまには通用しません。
この度のように自らの思いでお寺さんを調べた上でお願いすることは、故人に対する
想いがきちんとなされているのではないかと住職は思います。
浄土真宗の宗祖親鸞聖人は、ご和讃に
釈迦弥陀は 慈悲の父母 種々に善巧方便し われらが無上の信心を
発起せしめたまいけり (高僧和讃)
とお示しくださっています。
気づかないうちに、知らず知らずのうちに、そのように導かれている。
何もわからないこの私のために、ちゃんとお導きくださってあったのでしょうね。
この不思議を超えた、不可思議な世界を知るには、きちんとした葬儀を勤めていく
必要があると超法寺住職は考えています。
メメント・モリとは、【死を忘れるな】というラテン語です。
ヨーロッパで常に言い続けられた言葉だそうです。
飛行機に「4」番の座席がない。病院の病室にも「4」号室がない。
大きなホテルには「4」階がなかったり、老人施設に「4」号室がない。
「4」と「死」は何にも関係ないのに。
「4」は「よん」と言えばいいだけのことなのにね。
飛行機のパイロットも、飛行機を作る人も、医者も、病院や施設を作る人、設計する人、それぞれ文明社会の先端を歩む素晴らしい人じゃないですか。
そのような人たちでさえ抱えている人間の愚かさ。
この愚かさを人間が抱えている限り、迷信やいかがわしい宗教は決して無くなりません。
そして、そこまで死を嫌い、死を避け、死から目をそらそうとする人には人生に実りなどございませんよ。
この「死」の解決をするのが宗教です。
宗教の名を借りて、「死」の解決をせず、苦悩ばかり押し付けて脅すようなものを宗教とは言わないのです。
安心して生きてゆき、そして安心して死んでいける道が浄土真宗のみ教えなのです。
これを聞かずに人生を終えて、どうやって幸せになると言うのでしょうか。
なるはずがないじゃないでしょう。
お願いです。葬儀をただのお悔やみの儀式にしないでください。
み仏に抱かれて きみゆきぬ 宝楼閣(たまのいえ) 美しきみ仏と なりましし
尊さよ
この世界が阿弥陀さまがお誓いくださり建立してくださったナンマンダブツの願いなのです。
南無阿弥陀仏、ナンマンダブツ。
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