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執筆者の写真超法寺の住職

お父さんお母さん

いよいよ令和4年も最終日を迎えます。

コロナ禍の中、よく感染もせずに過ごしてこられました。また今年からは仕事については全て自分だけで確保してきました。不安ではありましたが、今までたくさんの方々に支えられて、また応援されてきたおかげと喜んでいます。


ぐうたらな私が、遅刻もドタキャンもせずに予定通りにお参りを勤められたのも自己責任の中故だったのでしょうか。

今までは、誰かがヘルプしてくれたりだった。

父が側にいてくれたおかげ、母が支えてくれたおかげだったのでした。


もう二人はこの世にはいてくれません。

往生されました。

長い間有難うございました。

寂しくてたまらないけど、二人を見送れたことが長男としてはせめてもの親孝行だったかもね。

たくさん心配をおかけしました。


改めて人間は皆、他によって生かされているという縁起の法に反して、自己の幸せだけを求めて生きています。

無常の道理に逆らって、【老いを嫌い】【病に嘆き】【死を恐れて】生きています。


縁によって今の私があるのであれば、縁が変われば私も変わる。変わらない我というものはありません。この無我の法に背けて【我に執着して】欲と怒りと愚痴の人生を生きる私です。


【縁起】【無常】【無我】という真実の法に背き、逆らって生きていても、そのままがこの法の中にあり、この法によって生かされているのです。

もしこの法に人格があったならば、法に逆らって背いて苦の人生を生きる人間をそのまま抱きたつつ、法は泣いていることでしょうね。

自己に執着することなく、無常を受け入れ、私を生かしている他の全ての者の幸せを願う、本当の人間になることを泣いて願っていると思います。


最後に人間ドラマ、そして我が親の有り難さを川柳からお味わいしましょう。


◉他人様の親の介護を生業に 故郷(くに)の

 親には電話ですまんと

[令和3年9月(朝日新聞)横浜市 太田克宏]

※故郷の親も他人の介護を受けていたのでしょうか。


◉妻でなく 母にもならず ただ娘 かくて「無償のヘルパー」となる

[令和3年9月(朝日新聞)東大阪市 大川純子]

※嫁にも行かず、結果今は、老親の介護をしている

ようですね。


◉介護する辛さ他人に任せきり

[令和3年2月(山口新聞)]


◉初月給で父母に贈りし万札が遺品の中にあり 新札のまま[令和3年 某氏]

※父を亡くし、この度は母を亡くされたのでしょう。

親心を想い涙が出ます。


◉真夜中に祖母と同じく母もまた「ナンマンダブツ」と、寝言でも称える

[大乗六月号 大分県 阿部睦美]

※祖母も母も、ナンマンダブツの仏さまが身についた人です。「寝ても覚めても称名念仏すべきものなり」の『御文章』。寝ていても念仏は称えられるのです。


いかがでしょうか。私は今年は自身の現実として身につまされたことでありました。

両親が私に伝えてくれた南無阿弥陀仏を人生の【灯】として来年も歩んでまいります。

皆さまもどうぞ、お念仏の申される一年をお過ごしくださいませ。

南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏

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